黒島(八重山列島)から発見されたカミキリモドキ亜科の1種について

溝田浩二(北大・農・昆虫体系)
 
  カミキリモドキ亜科(Oedemerinae)はカミキリモドキ科の中で最大の亜科であり、日本からは現在までに8属28種が知られている。演者は最近、八重山列島の黒島から採集された本亜科に属する1種の標本を検視する機会に恵まれた。この種は雄の maxillary palpi 先端が極度に肥大しており、明らかに日本未記録種であった。このような特徴をもつグループは、ニュージーランド、オーストラリアに分布するSelenopalpus 属、Thelyphassa 属、Baculipalpus 属や、台湾(蘭嶼島)、スマトラ島に分布するSchistopselaphus 属などが知られている。
  今回、ニュージーランドのオタゴ博物館、ならびに台湾省農業試験所から借用した近縁属の標本をもとに、雄交尾器の形質を中心に比較、検討を行った。その結果、本種は paramera の形態、penis の突起の数など、いくつかの形質において上記のいずれの属にも該当せず、新属を設けるのが適当であるという結論に達した。本講演では、さらに本種の分布、系統関係についても考察を加えてみたい。