みやぎのコウモリ図鑑
Bats of Miyagi Prefecture
【翼手目 Chiroptera】
種名
コメント
希少性
キクガシラコウモリ科
Rhinolophidae
キクガシラコウモリ
Rhinolophus ferrumequinum
(Schreber, 1774)
逆さにぶら下がって休んでいる姿を、廃坑、廃屋、用水路トンネルなどでよく見かけます。鼻の形がとても独特(花弁状)なので、他の種類とは容易に識別できます。
コキクガシラコウモリ
Rhinolophus cornutus
Temminck, 1835
洞窟、廃坑に生息していますが、キクガシラコウモリよりもより奥の方に入る傾向があります。キクガシラコウモリとよく似ていますが、体が一回り以上も小型です。
ヒナコウモリ科
Vespertilionidae
モモジロコウモリ
Myotis macrodactylus
(Temminck, 1840)
廃坑や用水路トンネルの中にあるせまい隙間に潜り込んでいることが多いです。洞穴の下に水がたまるような湿度の高い場所を好む傾向があるようです。
クロホオヒゲコウモリ
Myotis pruinosus
Yoshiyuki, 1971
日本でしか見られない固有種です。過去の採集例は非常に少なく、県内では鳴子町、栗駒町で見つかった2例のみ。洞穴ではなく、樹洞を利用しているようです。
ヒメホオヒゲコウモリ
Myotis ikonnikovi
Ognev, 1912
樹洞を利用していると考えられていますが、人家でも繁殖します。東北地方の個体群はフジホオヒゲコウモリ M. fujiensis とする研究者もいます。県内では蔵王山麓で少ないながら見つかっています。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I I 類
カグヤコウモリ
Myotis frater
Allen, 1923
竹林で発見されたので「かぐや」という名前が付けられましたが、普段は森林の中に生息しています。県内での記録は七ヶ宿町における1例のみしかありません。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I I 類
アブラコウモリ
Pipistrellus abramus
(Temminck, 1840)
市街地で街灯の周辺を飛翔している姿がよく目撃される小型のコウモリです。人家などの建築物をねぐらにしており、森の深い場所には生息していません。
モリアブラコウモリ
Pipistrellus endoi
Imaizumi, 1959
日本国内でも10例ほどしか記録のない珍しい種です。県内での記録は川崎町笹谷、鳴瀬町宮戸島の2カ所から記録があります。アブラコウモリとよく似ていますが、本種は市街地には生息できません。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I B 類
ヤマコウモリ
Nyctalus aviator
Thomas, 1911
昆虫を食べる”食虫性”コウモリとしては国内でもっとも大型の種です。樹洞をねぐらとしているようです。県内では3例の記録が報告されています。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I I 類
ヒナコウモリ
Vespertilio superans
Thomas, 1898
家屋や海蝕洞を繁殖場所として利用しています。青森県で標識をつけた個体が志津川町で見つかったこともあることから、かなりの長距離移動をすることがわかってきました。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I I 類
チチブコウモリ
Barbastella leucomelas
(Cretzschmar, 1826)
北海道以外の地域では非常に珍しい種です。県内での記録は鳴瀬町宮戸島で見つかった1例のみ。耳の付き方が特徴ですので、一目で本種だとわかります。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I I 類
ウサギコウモリ
Plecotus auritus
(Linnaeus, 1758)
耳が極端に大きいことから「うさぎ」という名前が付けられました。廃坑や用水路トンネルなどで観察されることが多い種類です。県内では5例の発見例が報告されています。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I I 類
ユビナガコウモリ
Miniopterus fuliginosus
(Hodgson, 1835)
主に洞口の広い海蝕洞に数百から数万頭の大きな集団で生活するコウモリです。県内では仙台市秋保町の用水路トンネルで確認されています。
テングコウモリ
Murina leucogaster
Milne-Edwards, 1872
樹洞、洞穴ともに利用しています。県内では、白石市福岡八宮、仙台市秋保町、七ヶ宿町の3カ所で見つかっています。鼻孔が管状でその名前の通りに突き出ています。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I I 類
コテングコウモリ
Murina ussuriensis
Ognev, 1913
日本産コウモリの中で最も小さい種です。樹洞性の種だと考えられていますが、落葉下、洞穴内、人家等でも観察されています。県内での発見例は3例のみ。
【環境省RDB】
絶滅危惧 I I 類

              
        過去の宮城県内のコウモリ捕獲データ

【参考文献】
 秋葉保夫・高橋修・高橋雄一(1996)『宮城県の野生哺乳動物』宮城野野生動物研究会
 熊谷さとし・三笠暁子・大沢夕志・大沢啓子(2002)『コウモリ観察ブック』人類文化社
 前田喜四雄(1994)『日本の哺乳類(監修:阿部永)』東海大学出版会
 宮城県(2002)『宮城県の希少な野生動植物ー宮城県レッドデータブックー(普及版)』